成人式に着用する振袖は、選ぶべきは振袖だけではありません。帯や髪飾り、小物や履物など振袖に合うものを1つずつ選択する必要があります。その中でも、もっとも存在感が大きく重要な部分といっても過言ではないのが「帯」です。ここでは、帯を選ぶときに何を意識すべきかのポイントについて紹介します。
振袖に合わせる帯の種類にはどのようなものがある?
まず覚えておかなければならないのが、成人式で振袖を着用する際に使うことのできる帯の種類は決まっているということです。以下どのような種類があるかを紹介します。
■袋帯
幅約31cm×長さ約4m30cm以上の帯。とても大きなタイプで、半分に折って袋状にして使用します。格式が高く、成人式の振袖にはもちろん、結婚式の留袖などのフォーマルな着物にも合わせることができます。
柄やデザインによっては、カジュアルなシーンにも用いることができ、今後の人生の色んな場面で活躍するでしょう。成人式においては、煌びやかな色のものや、現代風にアレンジしたおしゃれな結び方をして楽しむ方が多くなっています。
■丸帯
もう一つ覚えておきたいのが丸帯と呼ばれる上級者向けの帯です。長さは4m36cm以上で重さも3kg以上と、袋帯よりもずっしりしたものとなっています。
表裏両方に柄が入っており、豪華でもっとも格式が高い女性帯といわれていますが、現代の成人式ではほとんど見かけません。花嫁が着用する白無垢や、舞妓さんの衣装などに用いられることが一般的ですが、こだわりのある方は成人式で使用しても問題はありません。
振袖に合わせる帯の結び方の種類
帯は柄や色だけでなく、結び方によっても印象がまったく異なってきます。一生に一度迎える成人式なので、着物の美しさを引き立たせるような結び方をしてみましょう。結び方にもいくつか種類があるので紹介します。
■文庫結び
文庫結びは、江戸時代から伝わる伝統的な結び方で、現代の成人式においてもスタンダードな結び方です。背中から見るとリボンのような形に見えて可愛らしいのが特徴。基本の文庫結びも人気ですが、「変わり文庫」や「蝶文庫」などさまざまなアレンジ方法があるので、ぜひ気になる方はチャレンジしてみてください。
■二重太鼓結び
お太鼓結びとは、江戸時代後期より伝わる、もっとも標準的に用いられている女性帯の結び方です。結びあげたときに背中に出る四角い面の部分がお太鼓と呼ばれています。一重太鼓結びと二重太鼓結びがありますが、成人式では格式の高い二重太鼓結びをするのが一般的。落ち着いた上品な雰囲気を目指したい方にぴったりの結び方です。
■立て矢結び
立て矢結びは、もともとは江戸時代に大奥に仕える女中が用いていた結び方です。左上から右下に向かうような形で、矢を背負っているような見え方からこの名がついたといわれています。凛とした美しさがあり、全体的にすっきりとした印象になります。身長の高い方やスタイルをよく見せたい方にぴったりの結び方です。
振袖に合わせる帯の選び方のポイント
ここまで、振袖に合う帯の種類や結び方を紹介しましたが、着物に馴染みのない方はどうやって選ぶべきか迷ってしまいますよね。
順番としてはまず、帯の種類を「袋帯」または「丸帯」から選択してみましょう。どうしてもというこだわりがなければ、袋帯がより一般的なので袋帯にしておくと間違いありません。
次に、帯の色を決めていきます。金・銀など煌びやかなものから、柔らかさを象徴する淡い色、個性を際立たせる鮮やかな色など選択肢はたくさんあります。
実は、帯は振袖とまったく異なる色にすることがおすすめです。同系色にしたい場合も、濃淡をはっきりさせると、より着物の存在感を引き出すことができます。振袖の美しさを際立たせ、かつ自分の雰囲気や好みにマッチする帯をじっくり探してみてくださいね。
振袖に合わせる帯は、柄や色・結び方などにより大きく印象が変わってきます。もっとも大切なのは、選んだ着物の美しさがしっかりと引き立つものを選ぶことです。一生に一度の成人式なので、後悔のないように1つ1つ準備してみてくださいね。