振袖の着付けは通常の着物の着付けよりも多くの時間を必要とします。後ろ姿を豪華に見せるため、複雑な帯結びを取り入れたり、重ね襟を使用したりするためです。着付けに持ち出す荷物は大変多くなり、忘れ物をしないよう注意が必要です。美しい振袖を着るために必要な時間、着付けの注意点などを把握しておきましょう。
振袖の着付けにかかる時間はどれくらい?
美容院で振袖を着付けてもらう場合、お店の事情や混雑具合、着付け師にもよりますが、少なくとも1.5時間以上は必要となります。平均すると着付けとヘアメイクで1~2時間と設定しているお店が多く見られます。やせ型の人は体型補整を念入りにしなければならないので、お店に直接出向き、相談しておきましょう。
着付けする前の注意点
着付けをしてもらう前に事前に準備しておかなければならないこと、注意しておかなければならないことがいくつかあります。メモやチェックリストを用意して、頭に入れておきましょう。
■脱ぎ着しやすい服装で行く
振袖の着付けを予約したら、当日は脱ぎ着しやすい服装で行きましょう。脱ぎ着しやすい服装でなければ、予定時間に影響を与えてしまいます。前ボタンのシャツや前ファスナーのパーカーなどがよいですね。カーディガンも一枚あると脱ぎ着がしやすく防寒に役立ちます。前が開かない衣服、Tシャツ、トレーナー、セーターなどはNGです。前開きの服装でないと和装のヘアメイクを崩してしまいます。「着付け前の服装でかぶり物はNG」と覚えておきましょう。メイク無しのスッピンで家を出ることも忘れてはいけません。
■髪型やメイクのイメージを明確にしておく
自分が着る振袖に合わせて、どんな髪型にしたいか、髪飾りはどんな物を使いたいか、帯結びは何がよいかをはっきりとさせ、事前に打ち合わせしておきましょう。美容師さんに振袖を見てもらい、色柄を伝えておくことも重要です。和装のメイクは通常のメイクよりも濃くなります。どんな色を使いたいか、部分的なことから全体的なイメージまで納得いくまで相談しておきましょう。こんな着姿がいい、ヘアメイクはこんな感じで、といった具体的な要望には写真を見せるのが一番です。美容院側も、写真があるとわかり易くてとても助かる、といいます。
■持っていく荷物は必要最低限にする
成人式や卒業式では日にちが重なり、美容室は混雑します。持っていく荷物は必要最低限にして、不要な物は持って行かないようにしましょう。できれば着付け道具や衣装は一まとめにしておきたいですね。美容室によっては前日までに、カバンや風呂敷に包んだ道具類を預けておくことができます。着付け後は会場に直接出向く場合が多いので、荷物は極力少なく、必要な物だけを持っていきましょう。カバンに荷物一式を詰め込むと、草履を入れ忘れる人がよくいます。着付け前はサンダル履きでもよいので、草履は忘れずに荷物に入れるようにしてください。
余裕を持って行動することが大切
美容院の着付けは予定時間通りには進みません。混んでいて前の人の時間が押していたり、手間取ったりすれば、すぐに予定時間を超過してしまいます。天候によっては交通機関の遅延もあり得るでしょう。
また車やタクシーを利用する人は道路事情も問題になってくるので、その分の時間調整も必要です。当日は朝起きてから会場入りするまで、余裕を持って行動しましょう。20分程度の余裕では足りません。時間に追われれば自分だけでなく、着付け師の負担にもなり、晴れの日の招待者へ迷惑をかけてしまいます。着付け当日は充分な余裕時間を持ちましょう。
美容院に着付けやメイクを依頼する場合、事前に充分な打ち合わせが必要となります。妥協せず自分の理想とする振袖姿を追求してください。前日までにしっかりと準備をし、当日は心と時間に余裕を持って行動します。ゆったりとした落ち着いた動作は会場入りしても、大人らしい、きちんとした人だなという印象を周りに与えます。余裕のある落ち着いた所作は振袖をより美しく見せて、最高の1日をあなたに約束してくれるはずです。