着物というのは洋服と違い、管理が難しいとされています。着たあと汚れや汗がついても、簡単に洗濯できません。そのため、着たあとにすぐにしなければならないことがあります。かつては、3年に一度くらい「洗い張り」という方法で、着物をほどいて洗っていました。今回は、振袖の管理方法や着用後にやるべきことをご紹介します。
振袖を着た後すぐにやっておくこととは
振袖をレンタルか購入かで迷う人も多いですが、今の時代はレンタルが主流となっています。レンタルした振袖を着たあと、すぐにやっておかなければいけないことがあります。
陰干しをする
着物用のハンガーに振袖をかけて、風通しのよい場所で半日程度陰干しをします。長襦袢や帯なども振袖と同じように、陰干しをする必要があります。直射日光は、色やけの原因となります。
シミや汚れをチェックする
陰干しをする際に、シミや汚れ、傷みのチェックをしておきましょう。もしもシミや汚れを発見した時には、できるだけ早くクリーニングをする必要があります。シミや汚れがなくても、保管する前には汗抜きなどの対処はしなければなりません。
振袖の正しいたたみ方と保管方法
着物には、種類ごとに正しいたたみ方があります。ほとんどの着物は「本だたみ」という方法でたたみますが、振袖や留袖のような豪華な刺繍や箔を施している着物は「夜着だたみ」というたたみ方となります。
ほかにも「袖だたみ」や長襦袢、羽織のたたみ方があります。正しいたたみ方ができていないと、着物にシワがついてしまったり、傷んだりしてしまう原因となります。着物は左右対称に作られているので、折り目に沿ってたたんでいくと割と簡単にたためます。
ただし、たたみ方の方法が着物によって変わってくることを知っておきましょう。たたんだ振袖をたとう紙に包み、湿気が少なく直射日光が当たらない場所で保管します。湿気は着物にとって大敵なので、もっとも避けなくてはなりません。
長期保管・購入した場合の適切な保管方法
振袖を購入した場合には、長期保管する必要がでてきます。洋服と同じような保管の仕方をすれば、振袖を傷めることになってしまいます。それでは、どのように保管すればよいのでしょうか?
保管する部屋
保管する部屋は、風通しがよく直射日光が当たらない場所が適しています。そして、湿気は大敵なので湿度が高い部屋はNGです。
振袖を保管するもの
振袖を長期間保管しておくのに適しているのは、桐のタンスです。桐は湿気を吸ってくれる木材で、防虫効果もあります。かつて、お嫁入道具の一つとして重宝されましたが、タンスの需要が減っていることもあり、タンスがない家庭の方が多いでしょう。新たに購入する場合は、桐の衣装ケースがおすすめです。1枚だけ保管できるものから数枚を保管できるものまでさまざまで、桐のタンスよりかなりリーズナブルです。
メジャーであるプラスチックの衣装ケースは、湿気がこもりやすく、カビの発生の原因になるため、振袖の保管には向いていません。振袖と同じように帯や帯締め、帯揚げなども、桐のタンスの引き出しに保管することをおすすめします。桐タンスや衣装ケースは壁に密着させず、10cm程度開けておくようにしましょう。
まとめ
振袖の管理方法を見てきましたが、着物の種類によって若干の違いがあります。着物は湿気を嫌うため、湿気対策は万全でなければなりません。着たあとは、すぐに汗や汚れのチェックをしっかりして陰干しをしましょう。レンタルした場合であっても、マナーとして最低限の管理となります。保管する時も、湿気対策や防虫対策はとても大切です。とくに振袖は、刺繍や箔などを施した格の高い着物なので、着たあとのお手入れは入念にすることが大切です。お手入れが不充分だと、シミになったり虫食いを引き起こしたりします。購入した場合は長期保管になるため、定期的に陰干しをする必要があります。