ゲームや漫画作品、アニメ映画の舞台になることも少なくない大正時代には、西洋と日本の文化が混ざり合った独特の魅力があります。矢絣の着物と袴姿の女学生の姿は典型的なイメージといえるものです。ここではそんな大正ロマン風に振袖を着こなす工夫について、大正ロマンの特徴と共に紹介しています。ぜひ参考にしてください。
大正時代は人々が自由を求めた時代
大正ロマンの舞台となる大正時代は、西暦1912年から1926年までの15年間です。歴史的には短い時間ですが東京の街並みがアールデコ調の建築物へと変化し、日本で初めてのエスカレーターが設置されたりラジオ放送が開始されたりと、今までにない新しい文化や技術が日常生活に取り入れられた時代でした。
同時に、第一次世界大戦や関東大震災といった大きな出来事も相次ぎ、新しい物への期待とは裏腹に社会的な不安感が払拭できなかった時代でもあります。
そんな大正時代には大正デモクラシーに代表される様に民本主義や自由を求める機運が高まっており、その中で女性の地位向上への機運も高かったのです。服装は矢絣の着物と袴姿の女学生に代表されるように、女性の洋服は今ほど一般的ではありませんでした。しかし大胆な幾何学模様や西洋風の柄の着物、あるいは和服に洋風の髪形を合わせたファッションが誕生し、和洋折衷の独特な魅力を今に伝えています。
大正ロマン風の着物には特徴がある
和洋折衷の文化が発展した大正時代の着物にはそれまでの着物にない特徴があります。もっとも特徴的なのは柄で、和服で花柄といえば菊や牡丹、桜や朝顔といった日本に古くからある植物がモチーフとなっていました。それが大正時代になるとチューリップやバラ、スイートピーなど西洋の花をモチーフとした花柄が登場するようになります。
同時に大正時代後期に流行したアールデコの影響から、市松模様のように幾何学的なデザインも多く用いられました。色づかいにもそれまでと異なるものがあり、1956年にモーブが発明されて以降、日本でも発展していった合成染料を使った色鮮やかな染色が特徴的です。
たとえば友禅染のような伝統的な着物が深い赤色や青色であるのに対し、大正時代のアンティーク着物は現代のプリント生地にも通ずる鮮やかで明るい発色が見られます。もし振袖レンタルで大正ロマン風の着物を探すのであれば、西洋の花や幾何学的な模様で絞り込むのがおすすめです。
振袖レンタルで大正ロマン風の着こなしをするには
大正時代のアンティーク着物を実際に手にすることは難しいかもしれませんが、振袖レンタルで振袖を選ぶことを考えているなら、和洋折衷の魅力とレトロな雰囲気のある振袖を選ぶことが可能です。
近年振袖レンタルを行っているお店の中には、大正時代のデザインを再現した振袖を取り扱っているところもあるほど注目度も高いので、振袖選びは難しくないかもしれません。
しかしより大正ロマンを感じられる着こなしをするためには髪型にもこだわりが必要です。イメージとしては大正時代の東京を歩く女性のような雰囲気で、ショートヘアでも整うレトロ感の高いフィンガーウェーブや、耳が隠れるように髪を結った耳隠しが代表的です。
髪飾りなどの小物を合わせる場合は着物に合わせた洋風のモチーフを取り入れるのがポイントです。またメイクも大正時代を意識して赤リップを使ったり、自然なピンクやベージュのアイシャドウを用いるとよりレトロな印象になるでしょう。
大正ロマン風の着こなしをするには振袖選びだけでなく、振袖に合う小物を選んだり時代の特徴を踏まえたメイクや髪形にすることも必要です。東京では展示会が多く開かれていますし、東京都外からもネットで探せるので、まずは実物を見ることをおすすめします。