振袖姿にメガネは合わない、と感じる人は少なくありません。中には着物を着ているときにメガネをかけるのは、マナー違反だと思っている人もいるようです。しかし、実際にはそんなことはありません。メガネにするか、コンタクトレンズにするかは「好きか嫌いか」だけの問題です。艶やかな振袖にベストマッチするメガネを探してみましょう。
振袖にメガネを合わせても問題ない！
振袖にメガネを合わせても何の問題もありません。そうした着物のルールもマナーも存在しないのです。一部の年配の人は着物にメガネは合わない、合わせてはいけないと考える人もいるようですが、昭和以前、メガネが日本女性に普及していなかった時代の話です。
飲食店、料亭などでメガネを禁止する所もありますが、お辞儀をしたときにメガネがずれると危険だから、お客様の前にメガネを落としてはいけないから、といった物理的な理由によるものです。メガネは体質的に手放せない人もいますし、振袖だからといって裸眼で外出するのは大変な危険を伴います。振袖用の草履はヒールが高く、鼻緒に不慣れなため、足元に注意しなければなりません。
成人式や結婚式に出席しても、ぼんやりした視界ではちっとも楽しめませんよね。近年では和服に合う新しいデザインも生まれていますし、着物姿のために伊達メガネをかける人もいます。集合写真を撮るとき、「眼鏡の方は顎を引いてください」といわれますが、これはメガネに照明が反射するのを防ぐためです。気になる人は撮影時だけメガネを外しておきましょう。
メガネのフレームはどれがよい？
振袖に合うメガネのフレームは、丸型、オーバル型がよいでしょう。振袖の柄には直線的な表現が余りないので、丸を基調とした優しいフレームが適しています。素材はプラスチックよりも、細い金属製がおすすめ。軽いチタンフレームもよいですね。できるだけフレームが自己主張しない物を選びます。
フチなしのメガネも素顔に馴染みやすく、可愛らしく見えます。振袖を着るときは多くの人が髪をアップにするので、丸い輪郭、顎のラインが強調されます。顔の輪郭に合わせ、丸型やオーバル型のフレームを選べば違和感なく、着物姿に溶け込みます。
丸型のメガネはレトロ感があり、振袖と合わせることで浪漫風な演出ができます。最近では和柄のフレームもたくさんデザインされるようになりました。冠婚葬祭では全体的に調和の取れた装いが好まれるので、メガネ本体が単独で目立つような物は避けておきましょう。
メガネの色は何色がよい？
振袖に描かれている色を一部、メガネに取り入れてみましょう。振袖と色目の合ったメガネをかければ調和が取れて、落着いて見えます。振袖は豪華で華やかにたくさんの色目が使われているので、そのうちの一つ、ベースカラーをメガネに適用します。濃い色のメガネはフレームを強調するので、おすすめできません。
色付きのレンズもできれば控えてください。顔が明るく見えるので、淡色がよいでしょう。テクニックとしてはベースカラーが濃い色、濃紺や濃紫の場合、2番目に多い色、セカンドカラーをメガネに持ってきます。帯の色に合わせるのも素敵ですね。金糸をふんだんに使った振袖帯ならば、金色のメガネも映えますよ。帯締めや帯揚げと色を合わせれば、アクセントカラーになり、おしゃれ感が増します。髪飾り、簪や花飾りに合わせたメガネをかければ、これはもう着物上級者です。
振袖にメガネは合わない、なんて間違いです。振袖にメガネをかけることは、新しい和服コーディネートの可能性を秘めています。和服男性のメガネはOKで振袖女性のメガネはNGなんて本末転倒ですよね。間違った因習は取り除き、自由な着物生活を楽しむべきです。振袖を着る日は晴れの日、特別な日です。着物と合わせて選んだ素敵なメガネで、幸福な未来を見通しましょう。
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