待ちに待った成人式の日で、振袖姿をよりいっそう美しく魅せるためには、作法や動作がとても大切です。振袖は着物の中でも袖が長く、あまり着慣れないものでしょう。着崩れを起こしやすく、お直し代がついてしまうような、汚れや破れなどにも充分注意しなくてはいけません。外出してから焦らないように、振袖の作法を事前にチェックしておきましょう。
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振袖での基本的な動作
振袖姿での立ち振る舞いは、普段の洋服とはまったく異なるものです。半日以上、振袖姿で過ごす人が大半なため、写真撮影の際はもちろん、当日は立ち振る舞いを意識して過ごすようにしてください。また慣れないうちは疲れやすいので、あくまで自然になるよう基本的な動作を覚えておくようにしましょう。
■階段の上り下り
階段を上り下りする際は、袖と裾に注意しましょう。袖は長いため、そのまま上り下りすると地面に引きずりやすいものです。両方の袖を片側に重ねてかけ、手で持ち上げるようにしてみましょう。裾も同じく引きずりやすく、踏んでしまう危険もあります。手で裾部分を持ち上げながら、階段を斜めにして上り下りしましょう。大股で歩くと危ないので、ゆっくり歩くようにしてください。裾は持ち上げすぎず、足首が見えない程度だと美しく見えます。階段の上り下りは危ないので、もし近くに家族や友人がいたら手を添えてもらってくださいね。
■椅子に座る
椅子に座るときは、浅めに腰をかけて背もたれに寄りかからないようにします。深く座ってしまうと、帯が潰れてしまうので注意しましょう。手荷物がある場合は、背もたれと帯の間に挟んで置くと安心ですね。また、そのまま座ってしまうと袖が床についてしまいます。椅子の横に立ってから、袖をまとめて持つようにして腰かけましょう。袖はひざの上に重ねるようにして、床に落ちないようにしてください。
■立つ・歩く
振袖は着慣れないものなので、1日着ていると体が疲れてしまいがちです。足を開いてしまったり、草履を引きずったりしないよう気を付けましょう。1本の糸に引っ張られているような感覚で背筋を伸ばします。歩幅は足のサイズ分くらいにして、内股気味にゆっくり歩きましょう。しかし、あまり意識しすぎると不自然になるので、自然に立ち振る舞うといいですよ。手や腕は出しすぎず、足首も見えすぎないようにするのがマナーです。
車の乗り降り
車を乗り降りするときも、普段通りにしていると着崩れの原因になってしまうでしょう。また裾を踏んでしまったり、ドアに引っかかってしまったりする恐れがあります。美しく座るためには、まずお尻から座るようにしましょう。手荷物がある場合は、先に車に入れるようにします。
まずは体の前で袖を重ねて、座席に浅く腰をおろしましょう。腰を軸にするように足を揃え、車に足を入れてください。椅子に座るときと同じように浅く座り、帯などの着崩れを気にするようにしましょう。
お手洗いを利用する
お手洗いに行きたくなったとき、どうしたらいいのか不安になりますよね。当日は何があるかわからないため、あらかじめ対策方法を知っておきましょう。
まず裾が着崩れないよう、できるだけ洋式タイプや広めの個室を選ぶようにしてください。袖、振袖、長襦袢、裾よけの順番にめくりあげ、帯締めに挟みます。手を洗う際も、袖が濡れないよう帯締めに挟んでくださいね。念のため、クリップや洗濯バサミを持っていると便利ですよ。
振袖姿での所作や基本的なマナーは覚えられましたか?意外と難しい動作が多いので、あらかじめイメージトレーニングしておきましょう。着慣れない振袖なので、当日は普段より疲れやすくなります。家族や友人を頼りながら、安心して過ごせるようにしてください。手荷物にクリップや洗濯バサミを用意しておくと、もしもの時も安心ですよ。「振袖美人」になれるよう、美しい立ち振る舞いを心がけてくださいね。