成人式には、華やかな振袖に身を包んで参加する人も多いと思います。普段、洋装になれていると、着なれない和装に戸惑うことも多いのではないでしょうか。歩くこと一つにしても所作が大分違います。事前にマナーを知っておけば、いざというときも安心です。今回は、振袖着用時に避けた方が良い行動について紹介します。
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振袖着用時の立ち振る舞いを学ぶ利点
よく、旅行で浴衣を着て寝たら、起きたときに浴衣がはだけていた、という話を聞きますが、和装は洋装と比べて着崩れしやすいです。せっかく振袖を着ても、洋装の時のように自由に動いてしまっては、それが着崩れの原因になってしまいます。
ですが、動きにくさを解消するために、和装には実用的な所作や作法があるのです。それを覚えておけば、着崩れや振袖を汚すことなく、美しさをキープすることができます。それに和装と洋装、共通して美しい所作というものあり、例えば、立つときは背筋を伸ばす、などですね。ちょっとした所作でも上品に見えますから、普段の生活にも取り入れてみるのも良いと思います。
振袖着用時の基本マナー
和装は、基本的なマナーを押さえておくだけでも、着崩れを大分防ぐことができます。
■立ち方
姿勢は背筋を伸ばして立ちます。和装は洋装以上に猫背が目立つので、姿勢には気をつけましょう。足もとは、つま先が開かないように内側に向け、内股気味に立ちます。片方の足を少し後ろに引いて立つと、写真撮影の時など、きれいに見え写真映えしますよ。
■歩き方
着物は巻きスカートのような構造になっているので、歩幅を小さく内股気味に歩くと、着崩れもしにくいですし、裾捌きがよくなり歩きやすいです。着物の一番外側の部分を上前というのですが、上前を右手で軽く押さえながら歩くと、裾が大きくめくれずにすみ、上品な印象になります。階段を上り下りする際は、上前を押さえている手で、そのまま裾を少し持ち上げるとよいでしょう。和装は素肌を見せないのがマナーなので、足首が見えないようになるべく裾がめくりあがらないように歩くようにしましょう。
■椅子の座り方
写真撮影や成人式に参列するなど、振袖で椅子に座ることも多いと思います。まず、後ろの裾が地面に付かないように、上前を少し引き上げてから座るようにします。振袖の帯結びは、背もたれに寄りかかると羽が潰れてしまう恐れがあるので、椅子には浅く座るようにしましょう。椅子に座った後は、背筋を伸ばし、手は膝の上に重ね、足は閉じて揃えて座ると上品な座り姿になります。
振袖着用時に避けるべき行動
振袖を着ているとき、一番に気をつけたいのは着崩れしないことです。普段の何気ない所作が、和装の時は着崩れにつながるという事もよくあります。ですが、ポイントを押さえておけば、着崩れはかなり防げるのです。例えば、腕を大きく動かすことは脇の下から帯の上あたりが緩んでしまいます。
そして、普段と同じような歩き方をすると、裾除けや長襦袢などが足にまとわりついてきて、やはり着崩れの原因になってしまのです。和装は洋装より動きが窮屈な感じがしますが、無理な動きをしなければ着崩れることはあまりありません。所作を知っていれば、着姿も美しく保てますし、なにより上品に振る舞えます。
最近は、和装の方が洋装よりもなじみがない分、窮屈な感じがしたり、マナーや所作が大変だったりというマイナスなイメージがあります。ですが、姿勢など美しい所作という点では、共通の部分もあります。最近流行しているレトロ柄も、和装の所作ができていれば、いっそう映えるのではないでしょうか。この機会に、和装の所作やマナーを覚えて、自信を持って成人式に臨んでみるのも素敵だと思います。
おしゃれな振袖の魅力をさらに引き立てる!振袖着用時のマナーをチェック
晴れの舞台である成人式へは振袖を着て行く人が多いでしょう。成人式が行われる会場への移動は家族の車で送り迎えしてもらえる人や公共機関を使う人もいると思います。振袖は洋服と違って移動する時の振る舞い方や、立ったり座ったりする時の振る舞い方があります。振袖を着ていても美しく見えるような振る舞い方やマナーを紹介します。
振袖姿で移動する際のマナー
振袖は洋服と違って着付けをしているため、少し歩きづらいというデメリットがあります。しかし移動する際のマナーを知っておけば美しく、キレイな歩き姿に見えるでしょう。
■振袖で移動するときのマナー
振袖で歩いて移動するときのマナーがあります。
まず一つ目は「歩幅は小さく、ゆったりと歩くこと」です。普通の洋服のときと同じように歩くと歩幅が大きくなり、せっかくの振袖姿が着崩れで格好悪くなってしまいます。歩幅はだいたい20cm~30 cmの間が目安ですが、歩幅は小さくと思って歩きましょう。また歩幅が小さくてもせかせかと早足で歩くのではなく、ゆったりと歩くこと意識しましょう。
二つ目は「内股で歩くこと」です。振袖に限らず着物を着て歩くときは内股で歩きます。内股では歩けない、歩きづらいという人は、円を描くように足を前に動かすと動きやすくなります。また美しく見えるので、内股に慣れないという人はやってみてはいかがでしょうか。
振袖姿で立っているときのマナー
振袖といった着物を着ているときは歩き方だけでなく、立っているときも美しく見えるように心がけましょう。
■振袖を着て立っているときのマナー
振袖を着てだらけて立つのはNGです。立っているときのマナーも身に付けておきましょう。
まず立っているときは「袖を振らない」ことです。余所行きのかしこまった格好ということもありますが、振袖の袖を振ってはいけません。立つときは脇を軽く締め、両手は前に添えるように重ねて置きます。このとき、ひじは軽く曲げると美しく見えます。
また「袖からひじを出してはいけません」。公共機関を利用する際、つり革を掴むために腕を上げる場面があると思いますが、そういった場合でも袖からひじを出してはいけません。振袖を含め、着物を着ているときにひじを出すことはご法度とされています。腕を上げるときは腕が見えないように反対側の手で袖口を軽く抑えるようにしましょう。
最後にものを落として拾う際は「手を伸ばしてものを取らない」ようにしましょう。ものを取るときはしゃがんで取るようにします。しゃがむときは両方の袖口を軽くつまんでたたむようにして、袖が地面につかないように配慮します
振袖姿で座るときのマナー
着付けをしている状態で座るのは大変ですが、座るときのマナーもあるようです。式の最中に椅子に座る場面もあるので、事前にマナーを確認しておきましょう。
■振袖で座るときのマナー
椅子に座るだけでなく、中には正座をしなくてはいけない場面もあるかもしれません。合わせて確認しておきましょう。まずは椅子に座るときです。
座るときは車に乗るときも含め、「浅く座る」ことを心がけましょう。深く腰掛けようとすると、着付けをしているため帯がつぶれてしまいます。浅く座り、背筋を伸ばして座ると美しく、キレイに見えます。
座るときは「左手で両方の袖のたもとを持って、右手で裾が広がらないようにしながら」座りましょう。また車に乗るときは袖を膝の上でまとめて持って、体を屈めてお尻から乗るようにします。座るときに足をそろえるとキレイに見えます。車を自分で運転していくという場合、座席はいつもより少し後ろにしておくと帯はつぶれません。ただし、座り方が浅くなるためいつもと同じ運転はできないので、不安な場合はタクシーや公共機関の利用をおすすめします。
最後に正座をするときは「袖の裾をつまんで軽く持ち上げるようにして」座ります。このとき、右手で裾周りを押さえるようにすると裾が広がらず、キレイに見えるでしょう。また座ったら両方の袖が左右に垂れるように直しましょう。立ち上がるときは急に立ち上がらず、ゆっくりとした動作を心がけましょう。つま先はそろえた状態で、裾をふまないように気をつけましょう。
振袖姿で食事する際のマナー
振袖姿で食事をする人も中にはいるでしょう。キレイに見えることも大切ですが、せっかくの振袖を汚したくはないですよね。食事をするときのマナーも覚えておきましょう。
■振袖で食事をするときのマナー
食事をするときも袖には注意を払わなくてはいけません。何か取りたいときは「袖を軽く抑えながら取るようにする」ことを心がけましましょう。遠くにあるものに関しては周囲の人に取ってもらいましょう。テーブルにはたくさんの食器や食事が乗っているので、袖をひっかけないように細心の注意を払いましょう。
また食事をするとき、飲み物を飲む場面もたくさんあると思います。飲み物、とくに冷たいお冷やジュースなどといったものを飲む場合は「必ずコップの底を拭く」ようにしましょう。普段は気にならないコップの結露ですが、振袖に結露したしずくが落ちてしまうとシミの原因にもなります。そうならないためにもハンカチ、ない場合は紙ナプキンなどで一度コップの底を拭いておくとよいです。
また、食事をするときは「ナプキンや大判のハンカチを用意しておく」とよいでしょう。食事をするとどうしても料理のソースや汁、油がとんでしまうことがあります。そういったことを防ぐために、ナプキンや大判のハンカチを準備しておくことをおすすめします。またこれに限ったことではなく、大人の女性の嗜みとしてハンカチを持っておくとよいかもしれません。
振袖を着ると普段の生活で意識していないマナーや振る舞い方をしなくてはなりません。普段から着るものではなくても、一通りのマナーや振る舞いを身に付けておくと今後役に立つかもしれません。着物を着ているときのマナーとされていますが、着物を着ているときだけではなく、普段の生活でも活かせるような振る舞い方もあるのでぜひ実践してみてください。