襦袢とは和装のインナーです。肌襦袢と長襦袢はセットで着用するため、どちらも和装の必須アイテムです。しかし、和装が日常でないと何がどう違うのかわからない方も多いと思います。そこで今回は、肌襦袢と長襦袢の着用順番や役割、違いを解説します。長襦袢は着付けの際に表に出るものなので、正しく着用しましょう。
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肌襦袢とは
肌襦袢は、振袖など着物が直接肌に触れる役割をします。肩から膝下にかけワンピースタイプと、上下に分かれたツーピースのタイプがあります。着物は、汚れても気軽に洗濯機で洗う、ということは難しいので汗よけなど汚れ防止として着用します。
素材は綿やポリエステルなど身近な素材が多く、自宅でも簡単にお手入れできます。麻素材もあるので、夏場や暑がりな場合は適しています。冬はガーゼ素材など、防寒も期待できる素材がおすすめです。肌襦袢は外から見えず、薄手で薄ピンクや白など目立たず肌馴染みの良い色が主流です。
また、和装は洋装と違い体のラインを出さないことがきれいな着付けのポイントです。体型を補正する場合は、肌襦袢の上にタオルなどを当てて調整します。成人式など冬場は発熱インナーなどで防寒対策をしたくなります。しかし、補正のタオルなどで思った以上に暖かくなるため、発熱インナーや貼るカイロなどの使用は慎重に検討しましょう。着物は簡単に着脱できないため、ショールなど羽織りものを用意しておくと便利です。
ちなみに、より体のラインを出さないためにブラジャーは付けないのが一般的です。その場合、肌襦袢の下に和装用のブラを着用し、体の凹凸を抑えます。凹凸を抑えることで胸元の合わせが崩れにくくなり、着物の着崩れを防止できます。
長襦袢とは
長襦袢は、肌襦袢の上に着用します。肌襦袢とセットなのでインナーではありますが、襟元や袖が表に出るためワイシャツやブラウスのイメージです。元来、長襦袢はシルク素材が主流のためこまめな洗濯ができません。
現代はお手入れしやすく滑りも良いポリエステル素材も多く出ていますが、汗をかきやすいのが難点。夏場などは綿素材をおすすめします。また、主に着崩れ防止の役割があり、長襦袢の上に着物を着用します。着物の襟や袖が肌に直接触れるのを防ぐ役割もあり、表に出る割合で着付の美しさが決まります。
そのため、より着崩れしないよう着物に半衿を縫い付ける場合もあります。肌襦袢とは違い、着物とのコーディネートを楽しむ要素もあり、色や柄がついたものもあります。最近は赤や緑などはっきりした色もあり、伝統の中にも個性的なコーディネートが楽しめます。
肌襦袢と長襦袢の違い
役割は上記の通りですが、どちらも襦袢と付くので違いが分かりにくいものです。2つの違いをまとめると以下の通りです。
肌襦袢の役割
・袖や着丈が短く、着付け後は外から見えない
・綿など身近な素材で洗濯機で洗える
・ワンピースとツーピースのタイプがある
・汗や皮脂汚れを防ぐ
・体型補正のタオルなどをズレにくくする
・白や薄ピンクなど目立たない色
長襦袢の役割
・全体的に長めで、着物の襟元や裾から見える
・着物と肌の摩擦を防ぎ、動きやすくする
・摩擦を防ぐことからシルクが使われるものはクリーニングが必要
・ポリエステルなどお手入れしやすい素材もあるが、夏は不向き
・色や柄物もあり、着物とのコーディネートが楽しめる
まとめ
肌襦袢も長襦袢も、振袖など着物を美しく着こなすには大切なアイテムです。洋装とは異なる、和装ならではのシルエットが美しく上品な印象のためにも正しく着用しましょう。肌に直接触れるほうが肌襦袢、と考えると覚えやすいです。素材もさまざまなので、季節に合わせて複数持つのもおすすめ。表に出る長襦袢は柄ものや赤や緑などもあり、着物とのコーディネートも自分らしく楽しめます。素材もさまざまなので、季節や気温によって選び着物を楽しみましょう。
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